エアコンを自分で手軽に掃除するアイテムとして有名なのが、スプレータイプの洗浄剤です。
amazonや薬局などで容易に購入できる入手性の良さや、分解ができないパーツも自分で簡単に清掃できるのがスプレー洗浄剤のメリットです。
その手軽さからTV番組などでも取り上げられるなど、今注目のエアコン掃除アイテムです。ですが、気になるのが『スプレー洗浄剤を一般ユーザーが使用してもエアコンへの問題ないのか?』ということ。
今回はエアコン掃除を市販のスプレーを使立ったときの問題点やリスクについてお話していこうと思います。
この記事を書いた私はこんな人
- 大手エアコンメーカー勤務7年
- 平日はエアコンのプロ、休日は家事パパとして働いています
- プロだからこそわかるエアコン掃除の情報を発信!
エアコン掃除に市販のスプレーを使う問題点
さっそく結論になりますが、市販のスプレー洗浄剤を使用したときの問題は次のようなものが挙げられます。
- 汚れの目詰まりや水漏れ
- ニオイ対策のつもりが逆効果になることがある
- 故障や発火の原因になる
それでは、ひとつひとつ説明していきます。
汚れの目詰まりや水漏れ
スプレーの特徴は、汚れを落とす洗浄面では、拭き掃除では届かない汚れを除去できるというメリットがあります。ただ問題となるのはその後です。
洗浄した液体はどこから排出されるかというと、エアコン下部のドレンパン(水の受け皿)から屋外につながっているドレンホースを伝って、屋外に排出されます。
業者がおこなう高圧洗浄であれば、多量の水を使うので排水の勢いで屋外まで汚れがしっかり排出されます。ですが、市販のスプレーはせいぜい500ml程度です。
仮に汚れがしっかり取れたとしても、屋外までの排出経路で汚れが付着しやすいというデメリットがあります。排水経路に汚れが目詰まりすると水漏れの原因になってしまいます。
見た目の洗浄能力に気が取られがちですが、実は逆効果になることも・・・
ニオイ対策のつもりが逆効果になることも
次に臭いの面でもデメリットになることがあります。
スプレー洗浄は排水経路に汚れが溜まる恐れがあるという説明をしましたが、二次災害として臭いのもとにになることも考えられます。
排水経路には結露水が流れるので、汚れが溜まっているとカビ繁殖などの要因になりかねません。
スプレー洗浄はメリットも多いですが、性質上デメリットも潜んでいることを覚えておきましょう!
故障や発火のリスクがある
これが最も重要な問題で、メーカーや業者がスプレー掃除をおすすめしない理由です。
スプレー剤がエアコン右側の電装部分にかかっ他状態で通電すると、故障の原因となったり、最悪の場合火災になってしまうことも。
以下はスプレーが電装部分にかかったときの検証映像です。
動画では、電装部に液体が付着した状態で通電したときにトラッキングという現象がおこり火災に至っています。
電装部に近いところは極力スプレーを吹きかけないようにするか、液体が入らないように養生するなど取扱いは細心の注意を払ってください!
市販のスプレーを使用するときの注意点
エアコンスプレーの問題点を説明しましたが、手軽さや価格を考えると便利なものであることに違いはありません。
もしスプレー洗浄を考えている人はこれから説明する注意点を是非覚えておいてください。
「汚れを落とす」ではなく「汚れを予防する」目的で使用する
スプレー洗浄の問題点として「目詰まり」を挙げましたが、スプレーを使用するタイミングとしては汚れる前が良いです。
細かいホコリ程度であればほとんど問題はないですが、すでにエアコン内部がカビていたり異臭があるような場合は、スプレー洗浄ではほとんど洗浄するのが困難です。
基本的には汚れを落とす目的ではなく、汚れを予防する目的で使用することが重要です。中にはコーティング作用のある商品もあるので、適切なタイミングでうまく活用しましょう
メーカーや業者はスプレー掃除をおすすめしていない
誤った使用方法をした場合に故障や火災のリスクがあることを説明しましたが、安全性に関わるためメーカーやエアコン掃除業者も一般ユーザーによるスプレー洗浄は推奨していません。
- スプレー掃除は自己責任
- 心配なら業者に依頼する
この2点を念頭においておきましょう。
※ちなみに市販のスプレーの相場は2,000円程度ですが、業者に依頼した場合でも安い業者で5,000円〜依頼が可能です。当ブログでは様々なリスクを考えるなら、多少高くとも業者にお願いして徹底的に洗浄することをおすすめしています。
»業者選び方はコチラの記事を参考にどうぞ。