エアコン掃除の基礎知識

【プロが解説】エアコン掃除のメリットや必要な掃除頻度を解説

8月 28, 2021

家の掃除をするときにどうしても優先度が落ちがちなのがエアコン掃除だと思います。

理由としては、

  • 高いところに設置してあるので目が届きにくい
  • そもそも必要な掃除頻度がかわからない
  • エアコン掃除は何をすればいいのかわからない

本記事では、こういったエアコン掃除の基本的な疑問にたいして、エアコンのプロがお答えしていこうと思います。

エアコン掃除を怠ると何が起こる?【エアコン掃除の必要性を解説】

そもそもエアコン掃除は必要なのかということについて簡単にお話しておきます。

エアコン掃除を怠ると次のようなことが懸念されます。

  • エアコン性能の低下
  • エアコン寿命が短くなる
  • 異臭が発生する

これらを防止・予防するためには定期的なエアコン掃除が必要になります。

エアコン性能の低下

エアコンの主な働きは居室空間の空気を冷やしたり・温めたりすることです。

この「冷やす・温める」は、エアコン内部の熱交換器という部分に空気を通過させることで空気の温度調整をするという原理です。

熱交換器って何?
エアコンのフィルターを取り外すと見える金属のメッシュ状の部分です。このメッシュ部分を「フィン」といいます。

エアコン掃除をしていないと、フィルターやフィンにホコリが溜まってしまい、熱交換器を通過する空気の量が減り能力が下がります

つまり、エアコンとしての本来の機能・性能を低下させてしまいます

エアコンの寿命が短くなる

エアコンが汚れた状態で運転を続けると、エアコンの寿命にも影響があります。

エアコンにホコリが溜まる → エアコンの本来の性能が落ちる → 温度調整ができず、常にフル運転する(=機器への負荷が大きい)

このようなプロセスでエアコンへの負荷が大きくなり、結果としてエアコンの汚れは寿命低下に繋がる可能性があります

異臭が発生する

エアコンの吹き出す空気が臭ったことがる経験は誰しもあるのではないでしょうか。

エアコン内部に溜まった汚れが異臭が発生する一番の原因です。最悪、カビ発生にもつながります。

エアコンの汚れは目が届きにくいのでどうしても掃除し忘れがちです。でも、こういった懸念があることを覚えておくと、思い立ったときに掃除してみようという気持ちになると思いますよ。

エアコン掃除はエアコンを長持ちさせたり、快適に過ごせる空間を作るためにも必要なんです!

エアコン掃除のメリット

今説明したエアコン掃除の必要性をもう少し深堀りしてみましょう。エアコン掃除を定期的に行うことで得られるメリットについて解説します。

  • エアコンの効きがよくなる
  • 無駄な電気代を節約できる
  • カビや異臭の発生を防止できる

エアコン掃除をしっかりしておけば、電気代も節約しつつ快適空間を作り出せます。

エアコンの効きが良くなる

エアコンが汚れているとエアコンの性能低下に繋がります

裏を返せば、定期的にエアコン掃除をしていれば本来のエアコンの性能を維持することができます。

結果的に「冷えない・暖まらない」ということは起こりにくくなります。

無駄な電気代を節約できる

本来のエアコン性能を維持できれば、エアコンを起動してから早い段階で室温調整ができます。

もしエアコンが汚れた状態のまま使用していると、ファンや圧縮機が頑張って空気の温度を調整しようとするため、それだけ消費電力が大きくなります。

圧縮機って何?
圧縮機は、エアコンの心臓部分に当たるところだと思ってください。エアコン内部には空気を冷やしたり、温めたりするために冷媒という物質が流れています。圧縮機は冷媒をエアコン全体に送り出すポンプの役割があります。

エアコンがきれいな状態であれば早目に室温調整ができ、エアコン(ファンや圧縮機)は運転容量を落として、必要最小限で運転するので省エネにつながるというわけですね。

カビや異臭の発生を防止できる

カビは特に冷房シーズンに発生します。冷房シーズンはエアコン内部の湿度が高くなることが原因です。

カビや臭いの発生も定期的にエアコン掃除をすれば間違いなく防止できます

ただし、カビ発生を防止するためにはエアコン内部までの掃除が理想ですが、正直のところ自分ですべてを掃除するのは現実的に難しいです。

しっかりエアコン掃除をしたい場合は、プロの業者に依頼するのも一つの手です。掃除業者であれば防カビコーティングなども可能です。

エアコンの必要な掃除頻度は?

さいごにエアコン掃除をする頻度の目安について説明します。

室内エアコンのベストな掃除頻度は?

基本的な目安としては以下を参考にしてください。フィルターについては、環境にもよりますが案外すぐに目詰まりします。

  • フィルター:1ヶ月に1回(シーズン中)
  • その他:年に1回(2回できればベスト)

中にはフィルター自動掃除できる機種もありますが、そのような機能がない機種であればフィルターは1ヶ月に1回程度チェックしてあげるといいです。

手が届きにくいエアコン内部に搭載されている部品(ファンや熱交換器)は、一般ユーザーでは掃除が難しい場合が多いです。

とはいうものの、これらの掃除しにくい部品も年に1度は掃除しておくことが理想です。自分でできない部分はエアコン掃除業者に依頼するのが得策です。

業者に依頼するのであれば、冷房シーズンが終わったときがおすすめです。

室外機のケアもしっかりしてあげましょう

忘れがちですが、室外機も基本的には室内機と同様にケアしてあげる必要があります

室外機は、雨のおかげでホコリなどは付着しにくいですが、室外特有の汚れ(砂埃など)があります

室内機ほどの掃除頻度は不要ですが、たまに様子を見てあげるようにしてください。

まとめ:エアコン掃除はメリットが多いので、こまめにケアしましょう。

エアコン掃除には以下のようなメリットがありました。

  • エアコンの効きがよくなる
  • 無駄な電気代を節約できる
  • カビや異臭の発生を防止できる

概ねフィルター掃除を定期的にやるだけでも効果があります。目安としては、1ヶ月に1度程度が理想です。

ただし、どうしても自分ではできない部分も出てくると思います。年に1度ほどは掃除業者に依頼するのがベストです。

  • この記事を書いた人

管理人

大手エアコンメーカーのエアコン設計者です。 エアコンの構造や原理はもちろん、取扱方法やメンテナンス方法など一般ユーザーより知識があります。 当ブログでは一般ユーザに役立つ「エアコン掃除のノウハウ」を発信中!!

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